現在ASPの日次取得を動かしているサーバーは個人契約のConoHa VPSです。これをPLUS社名義の契約へ移すための指示書をまとめました。現行サーバーと両リポジトリ(asp_data_get / asp_referrer)を2026-08-18時点で実測し、その値を根拠にしています。
要点は3つです。第一に、現行機の名義変更ではなくPLUS社名義での新規契約をお願いします。現行機には本件と無関係な個人用の資産が同居しているためです。第二に、移すのはスクリプトと実行環境だけで、データベースは受け先2サイト(Xserver側)にあるためデータ移行は発生しません。第三に、スクリプトの改修は必須です。現行はChrome 86(2020年10月)とSelenium 3系で固定されており、新しいサーバーに入るChromeとは組み合わせられないためです。
以下が指示書の本文です。契約仕様、PLUS社側で用意していただくもの、こちらで進める準備、確認していただきたい点を分けて記載しています。
対象: ASP発生額取得(asp_data_get)とリファラー取得(asp_referrer)を動かしているサーバー1台
現状: 上記2系統は個人契約のConoHa VPS(160.251.6.246)上で稼働しています。これをPLUS社名義で契約したサーバーへ移し、契約・支払い・権限をPLUS社側に一本化することが目的です。
調査日: 2026-08-18(現行サーバーおよび両リポジトリの実測に基づく)
| 項目 | 指定値 | 理由 |
|---|---|---|
| サービス | ConoHa VPS | 現行と同一事業者。ネットワーク挙動・OSイメージの差異による移行事故を避けられる |
| プラン | 2GBプラン(3コア / メモリ2GB / SSD 100GB) | 現行は1GBプラン。実測でスワップを537MiB使用しており物理メモリが逼迫している。Chromeを毎日十数回起動する用途では2GBが妥当 |
| OS | Ubuntu 24.04 LTS(64bit) | Google Chromeの公式リポジトリが使え、更新が安定する。サポート期限2029年4月。ConoHaでは現行のCentOS 8はすでに選択できない |
| リージョン | 東京 | ASP各社・受け先サイトとも国内 |
| 追加ストレージ | 不要 | 現行機のディスク使用量42GBは大半が本件と無関係な個人データ。本件のスクリプト本体は実測4.2MB。取得済みCSVの蓄積分は権限の都合で計測できていないが、100GBに対して余裕がある |
| 自動バックアップ | 任意(推奨: 付ける) | 月額数百円。設定ミス時の巻き戻しが容易になる |
料金の目安(2026-08-18時点・ConoHa公式サイト記載・税込)
| プラン | 時間課金(月額上限) | まとめトク1ヶ月 | まとめトク36ヶ月 |
|---|---|---|---|
| 1GB(現行相当) | 1,065円 | 763円 | 450円 |
| 2GB(推奨) | 2,033円 | 793円 | 632円 |
| 4GB | 3,608円 | 1,380円 | 1,150円 |
比較のためXserver VPSも確認しましたが、2GBプランは新規受付を停止中で、4GBプランは月額4,400円(12ヶ月契約で3,600円)とConoHaより高くなります。既存のXserver契約とまとめたい事情がなければConoHaを推奨します。
plus とします。上記を受領した時点から構築作業に着手できます。
2026-08-18にサーバーへ接続して取得した実測値です。
| 項目 | 実測値 |
|---|---|
| OS | CentOS Linux 8.2.2004(kernel 4.18.0-193) |
| CPU | Intel Xeon Gold 6230 / 2 vCPU |
| メモリ | 818MiB(うちスワップ537MiB使用中) |
| ディスク | 99GB中42GB使用(44%)。うち本件関連は約5GB以下 |
| 稼働時間 | 134日 |
| Python | 3.6.8 |
| Selenium | 3.141.0 |
| chromedriver-binary | 86.0.4240.22.0 |
| Google Chrome | 86.0.4240.75(2020年10月リリース) |
| ChromeDriver | 86.0.4240.22 |
| pandas / numpy / requests | 1.1.4 / 1.19.4 / 2.27.1 |
| Xvfb | 未インストール(DISPLAY=:0 は設定されているが実際はヘッドレス動作) |
| スクリプト設置場所 | /var/www/html/asp_data_get/ と /var/www/html/asp_referrer/ |
補足が2点あります。
新サーバーではChromeが最新版(更新され続けるもの)になるため、Chrome 86に固定された現行コードはそのままでは動きません。両リポジトリ(PLUS-Company/asp_data_get、PLUS-Company/asp_referrer)の全ソースを実測して洗い出した改修項目です。
| # | 内容 | 実測件数 | 対応 |
|---|---|---|---|
| 1 | import chromedriver_binary(ドライバをChrome 86に固定) |
27ファイル | 削除。Selenium 4.6以降は同梱のSelenium Managerが対応ドライバを自動取得する |
| 2 | find_element_by_css_selector などの旧API |
228箇所 | find_element(By.CSS_SELECTOR, ...) 形式へ機械置換。Selenium 4.3で完全に削除されたAPIのため、放置すると全スクリプトが起動直後に停止する |
| 3 | DesiredCapabilities のimport |
5ファイル | 削除(Selenium 4で廃止) |
| 4 | ヘッドレス指定 --headless |
28箇所 | --headless=new と明示する。Chrome 132で旧ヘッドレスは削除され、--headless は自動的に新ヘッドレスとして動くため起動エラーにはならない。ただし実装そのものが別物になるため、CSVダウンロードとDOM取得の挙動を1本ずつ検証する必要がある |
| 5 | /var/www/html/... の絶対パス直書き |
50箇所以上 | 新サーバーの設置パスへ置換。CSVのダウンロード先指定(download.default_directory)を含むため、取りこぼすと取得が無音で失敗する |
| 6 | /usr/bin/python3 の直書き(発生額側の実行シェル) |
1ファイル16箇所 | 仮想環境(venv)のPythonを指すよう変更。リファラー側のシェルはPATH上のpython3を呼ぶため、こちらはPATH設定で対応する |
| 7 | Python 3.6 → 3.12 に伴う依存更新 | pandas利用12ファイル | pandas 2系・requests最新系へ更新。あわせて動作確認 |
改修そのものは大部分が機械的な置換ですが、ASP 8社ぶんのログイン動線を1本ずつ実行して確認する工程が必要です。ASP側の画面変更や、Chromeが新しくなったことによる挙動差はここでしか検出できません。取得スクリプトは発生額17本・リファラー15本の計32本あります。
契約を待たずに着手できるものと、契約後にしかできないものを分けています。
契約前(着手可能)
契約後
移すのはスクリプトと実行環境だけで、データベースは受け先2サイト(Xserver側)にあります。したがってデータ移行は発生せず、切り替えは「どちらのサーバーのcronを動かすか」を切り替えるだけです。
ただし並行稼働には条件があります。
切り替え完了後、現行サーバー上のASP関連ディレクトリとcronは停止・削除します。現行サーバー(個人契約)自体は他の用途があるため解約はしません。